里山コモンズの再生を目指して
第31回イオン環境活動助成先団体が決定

活動の様子

「持続可能な社会」を目指す意識は、個人、団体を問わず広く浸透しつつあります。国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)が示す17分野には「気候変動」「陸上資源」などが含まれており、環境保全は世界が取り組むべきテーマだと言えるでしょう。イオン環境財団は、「イオン環境活動助成」を通じて環境保全活動に取り組む団体を、30年以上に渡り支援してきました。この度決定した第31回の助成団体含め、多くの団体と手を携えながら持続可能な社会を目指しています。

イオン環境財団とは

イオン環境財団は、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」というイオンの基本理念のもと、地球環境をテーマにした国内初の企業単独の財団法人として、岡田卓也理事長(イオン株式会社 名誉会長相談役)によって設立されました。立ち上げて間もない1991年から植樹活動を進めており、2021年2月時点で計1223万本の木が国内外に植えられています。植樹活動は、自然災害や伐採などで失った森林の再生、地球温暖化防止の向上などを目指して、「イオン環境財団による森づくり」、イオンの国内外の店舗開店時に地域特有の樹木の苗木を植え育てる「イオンふるさとの森づくり」、東日本大震災で被害を受けた森の再生を目指す「イオン東北復興ふるさとの森づくり」の3つの活動が柱となっています。いずれの活動も、世界各地のボランティアとともに行っています。

津波災害のあとの海岸防災林の復元(宮城県石巻市)
津波災害のあとの海岸防災林の復元(宮城県石巻市)

イオンの森づくりでは「植える」活動にとどまらず、「育てる」「活かす」活動にも力が入れられています。宮崎県綾町と連携した森づくりでは、伐採する時期となった町有林の木を中学校の建設材として活用し、伐採跡地には地域に自生する樹種を植樹しました。

伐採跡地の里山への復元(宮崎県綾町)
伐採跡地の里山への復元(宮崎県綾町)

新型コロナウイルス感染症の影響により植樹地に向かうのが難しくなった際も、同財団は歩みを止めませんでした。これまで一緒に森づくりに取り組んできた地域ボランティアの方に苗木をお届けし、自宅や学校で苗木を1年間育ててもらった後、全国の「イオンの森」に植えてもらう「苗木の里親プロジェクト」に取り組みました。

植樹活動のほか、力を入れているのは環境教育です。アジア各国の大学生が集まり環境問題に関して討議する「アジア学生交流環境フォーラム」や、環境課題について基調講演やパネルディスカッションが実施され、世代や立場を越えた情報・意見交換が行われる「イオン未来の地球フォーラム」の開催など、国内外で環境について考える機会を設けています。

第7回アジア学生交流環境フォーラムのフィールドワーク(マレーシア)
第7回アジア学生交流環境フォーラムのフィールドワーク(マレーシア)

国内外の外部機関とも、連携を強めています。生物多様性の保全と持続可能な利用の推進を目的として、「生物多様性みどり賞(国際賞)」と「生物多様性日本アワード(国内賞)」の2つのアワードを創設し、隔年で顕著な環境保全活動が認められる個人・団体を顕彰しています。また、2020年9月には早稲田大学と連携し、「AEON TOWAリサーチセンター」を設立。「生物多様性の保全」「資源循環」「森林の利活用」といった持続的な地域社会を目指す「イオンの里山」を構築すべく、共同で研究、人材育成に取り組んでいます。

さまざまな活動に力を入れているイオン環境財団ですが、活動の柱の一つになっているのが「イオン環境活動助成」です。助成公募が始まったのは1991年7月。以降、毎年助成公募を続け、これまで計3153団体に総額28億7177万円を助成しています。

3000以上の団体を支援してきたイオン環境活動助成

イオン環境活動助成の趣旨は「国内外の環境保全を目的とした活動に対する助成を行い、地球環境の保全に貢献していくこと」。第1回以来、地球環境を保全するためのさまざまなテーマを設定し、助成団体を募集しました。

  • 第1回(1991年度)~第12回(2002年度) 地球の未来を守るために
  • 第13回(2003年度)~第18回(2008年度) 自然の生態系を守るために
  • 第19回(2009年度)~第28回(2018年度) 生物多様性の保全と持続可能な利用のために
  • 第29回(2019年度)~第30回(2020年度) 人と自然が育むゆたかな森づくり
  • 第31回(2021年度) 里山コモンズの再生

第31回では、行き過ぎた開発で荒廃、または人手が入らず劣化した里山を再生させる活動に焦点を当てて公募されました。人と自然との共生関係を取り戻すべく、「里山(里地・里川・里湖・里海を含む)の保全・維持・管理」「植樹を含む里山の修復」「野生動植物・絶滅危惧生物の保護」「自然資源の利活用」「自然環境教育」の5つの活動分野が対象となりました。

助成金額の予算は、第1~6回が毎年8000万円、第7回以降が同1億円(第14~16回は設立15周年を記念して同1億5000万円)となっています。第1回の助成団体は59団体でしたが、第6回以降は100団体以上を助成する年もあるなど、開始当初から規模も大きくなりました。

活動実績

活動実績
イオン環境活動助成のこれまでの実績

大量のゴミの中で命を落としていた生き物たちの惨状を見かね、絶滅危惧種生息地での清掃活動に取り組んできた助成団体は、イオン環境活動助成について、「成果を数値で表すことが難しい活動でも助成を受けられた」と感謝の意を示します。

助成先団体の清掃活動
助成先団体の清掃活動

植樹活動を通じて森の再生、保全を行っている助成団体は、「助成を受けて、植樹する苗木や植栽地の管理を十分に行うことができ、森と海の再生に近づけていると感じている」と説明し、「森は川で海とつながっており、森の保全は海の再生にもつながる。良好な環境を次世代へ継承したい」と意気込んでいます。

助成先団体の下刈り活動
助成先団体の下刈り活動

第31回の助成団体決定

2021年度の第31回の公募は、同年6月24日~8月12日に行われ、選考の結果、日本国内に拠点を置き、10カ国(日本国内は32都道府県)で活動する97団体に計94,140,000円が助成されることになりました。テーマである「里山コモンズの再生」に基づく5つの活動分野に取り組む団体に対し、助成されます。採択団体は以下の通りです。

活動分野:里山(里地・里川・里湖・里海を含む)の保全・維持・管理
ボランティアサザンクロスジャパン協会(マダガスカル)
一般財団法人ハヤチネンダ(岩手県)
特定非営利活動法人わたりグリーンベルトプロジェクト(宮城県)
一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団(宮城県)
特定非営利活動法人 輝く猪苗代湖をつくる県民会議(福島県)
暮らしの実験室やさと農場(茨城県)
特定非営利活動法人里山環境さなざわ(群馬県)
森林塾青水(群馬県)
特定非営利活動法人つるがしま里山サポートクラブ(埼玉県)
特定非営利活動法人 こぴすくらぶ(千葉県)
あびこ谷津学校友の会(千葉県)
NPO法人 草炭緑化協会(千葉県)
特定非営利活動法人しろい環境塾(千葉県)
特定非営利活動法人ちば環境情報センター(千葉県)
NPO法人農に学ぶ環境教育ネットワーク(東京都)
特定非営利活動法人山崎・谷戸の会(神奈川県)
横浜自然観察の森友の会(神奈川県)
NPO法人海の森・山の森事務局(神奈川県)
水沢森人の会(神奈川県)
能登の森里海研究会(石川県)
特定非営利活動法人フィールドミュージアム文化研究所(福井県)
特定非営利活動法人ぎふし森守クラブ(岐阜県)
NPO愛宕山ランド(岐阜県)
認定特定非営利活動法人 アースウォッチ・ジャパン(静岡県)
特定非営利活動法人グラウンドワーク三島(静岡県)
名東自然倶楽部(愛知県)
認定特定非営利活動法人 森林の風(三重県)
牟礼山森林クラブ(滋賀県)
巨木と水源の郷をまもる会(滋賀県)
NPO法人愛のまちエコ倶楽部 里守隊(滋賀県)
せぎなお会(滋賀県)
かせやまの森創造社(京都府)
特定非営利活動法人泉南の里山を大切にする会(大阪府)
特定非営利活動法人 森林ボランティア 竹取物語の会(大阪府)
かしわら森の会(大阪府)
行常しあわせの森つくり協議会(兵庫県)
NPO法人棚田LOVER’s(兵庫県)
特定非営利活動法人 うだ夢創の里(奈良県)
奈良・人と自然の会(奈良県)
一般社団法人 はたらく馬牧場(奈良県)
特定非営利活動法人アーキペラゴ(香川県)
垣生山よもだ会(愛媛県)
和白干潟を守る会(福岡県)
男ノ子の里 棚田保存会(福岡県)
NPO法人田縁プロジェクト(福岡県)
一般社団法人ド・ロさまの家(長崎県)
活動分野:植樹を含む里山の修復
特定非営利活動法人 緑化ネットワーク(中国)
一般社団法人 地球緑化クラブ(中国)
特定非営利活動法人 中央アジア森林草地保全研究所(タジキスタン)
特定非営利活動法人イカオ・アコ(フィリピン)
コーディリエラ・グリーン・ネットワーク 日本事務局(フィリピン)
一般社団法人マニスファンクラブ(インドネシア)
特定非営利活動法人 VERSTA(ブラジル)
特定非営利活動法人白神山地を守る会(青森県)
くじ☆ラボ(岩手県)
特定非営利活動法人白神ネイチャー協会(秋田県)
NPO法人いわきの森に親しむ会(福島県)
特定非営利活動法人 ふくしま再生の会(福島県)
森びとプロジェクト(福島県、栃木県)
秩父育樹会(埼玉県)
特定非営利活動法人国際ふるさとの森づくり協会(東京都)
特定非営利活動法人戸隠森林植物園ボランティアの会(長野県)
特定非営利活動法人静岡山の文化交流センター(静岡県)
NPO法人伊豆未来塾(静岡県)
特定非営利活動法人 加茂女(京都府)
特定非営利活動法人京おとくに・街おこしネットワーク(京都府)
吉田山の里山を再生する会(京都府)
一般社団法人J.M foundation土佐清水(高知県)
妙音山を守る会(大分県)
特定非営利活動法人霧島ふるさと命の森をつくる会(鹿児島県)
活動分野:野生動植物・絶滅危惧生物の保護
特定非営利活動法人サラマンドフの会(ケニア)
大雪山マルハナバチ市民ネットワーク(北海道)
認定特定非営利活動法人水のフォルム(埼玉県)
坂月川愛好会(千葉県)
市原米沢の森を考える会(千葉県)
特定非営利活動法人エバーラスティング・ネイチャー(東京都)
特定非営利活動法人サンクチュアリエヌピーオー(静岡県)
愛知守山自然の会(愛知県、三重県、岐阜県)
特定非営利活動法人亀岡人と自然のネットワーク(京都府)
里山の山野草を守る会(奈良県)
公益社団法人生態系トラスト協会(高知県)
NPO法人ふくおか湿地保全研究会(福岡県・大分県)
活動分野:自然資源の利活用
NPO法人八郷・かや屋根みんなの広場(茨城県)
特定非営利活動法人 朝霧森林俱楽部(高知県)
活動分野:自然環境教育
NPO法人 モンゴル環境情報センター(モンゴル)
特定非営利活動法人 ラブ グリーン ジャパン(ネパール)
特定非営利活動法人ハロハロ(フィリピン)
群馬ナチュラリスト自然保護協議会(群馬県)
特定非営利活動法人埼玉ハンノウ大学(埼玉県)
日の出ネイチャークラブ(東京都)
「あいちの海」グリーンマップ(愛知県)
山内エコクラブ(滋賀県)
山中比叡平里山俱楽部(滋賀県)
ひらかたプレーパーク実行委員会(大阪府)
一般社団法人宝塚にしたに里山ラボ(兵庫県)
NPO法人 Peace & Nature(兵庫県)
エコ村伝承館(熊本県)

同財団は第32回の公募に向けて動き始めています。これからも、持続可能な社会の実現のため、多くの団体と共に歩みを進めていくことが期待されます。